本当にいいライブだった!
初音ミク『マジカルミライ2020』のライブについて語ります。
千秋楽が終わってネタバレ解禁になってから、ライブの感想をいろんな人がTwitterやブログで振り返っているのを見ていました。私の代わりに言いたいことを言ってくれた気持ちになり、満足していたので記事にしなくてもいいかなとも思っていました。
ただ改めて振り返ると、いろんな制限の中で普段と違った雰囲気や演出があり、目一杯楽しもうとしたこれまでに無いライブだったと思いました。
こういうライブがあった、というまとめを残しておきたいと思い、筆をとった次第です。
幕張公演の千秋楽をメインにしつつ大阪や他の日の幕張公演についても振り返っていきます。
初音ミク「マジカルミライ 2020」 in TOKYO(=マジカルミライ2020幕張)の企画展の記事はこちら↓↓↓
公演内容
今年は普段と大きく異なりました。
以前までは1回の公演時間が約2時間ですが、今年は90分に縮小。曲数も以前は25曲ほどでしたが、今年は18曲と減少しました。
代わりに公演回数が1日3公演に増加(普段は多くても1日2公演。)。幕張は初日が1公演の3日分で合計7公演、大阪は2日分で合計6公演、全部で13公演が開催されました。
収容人数
50%の制限があったので、前後左右に1席空いていました。普段と違いゆったりとできたのはよかったです。人が少ないので熱気が薄れることも懸念していましたが、私はそれほど感じなかったです(以降に書きましたが、いろいろな工夫がそう感じさせたのでしょう)。ただ、運営の収益には大打撃だったと思います。
セットリストの変更
マジカルミライのライブのセトリ(=セットリスト)は1日あたりは同じで、日が代わると何曲か変更されます。これは去年までと同じです。今年は5日間あったので、5パターンが存在します。
私は幸運にも1日1公演づつ参戦できました(大阪最終日は現地不在だけどオンラインで参加)。
セトリは、今年もやはりオフィシャルアルバム(=初音ミク「マジカルミライ 2020」OFFICIAL ALBUM)中心。加えて今年はプロジェクトセカイがリリースされたこともあり、プロジェクトセカイの楽曲もいくつか組み込まれていました。
コール禁止
以前のライブからの一番の変更はこれでしょう。ライブ中のコール禁止。というより声出すこと全般禁止。もちろんアンコールの時の「ミーク!ミーク!」も禁止です。
初音ミクさんのライブは観客からのコールにより盛り上がり、コールが楽曲の一部のようなもの。そのコールが禁止になることで、始まる前は、観ている側としては物足りないのではないかと懸念されました。参加している身としても声で発散できないのはストレスが溜まるのではと…。
代わりにペンライトを振ったり、拍手で応えます。
他に、会場内全て撮影禁止(去年はライブ中以外であれば撮影OKだった)など。
楽曲
千秋楽が終わってネタバレ解禁になってから、ライブの感想をいろんな人がTwitterやブログで振り返っているのを見ていて、言いたいことを言ってくれたみたいな感じで満足しました(笑)。なので、一部だけ感想を書きます。
自分でも読み返すと驚いてばかりですが、本当に驚きの演出ばかりだったのです!運営さんにしてやられました。
開演前
入場した後の会場、寒かったです。換気のため窓を開けているので、スモークもかなり薄かったです。
寒い中でも会場を温めてくださったのが、開演前の楽曲。芳田さんの『スパイラルデイズ』。楽曲コンテスト準グランプリの曲ですが、今聴くとライブシーンを思い出すくらいよく印象に残っています。
この曲のボリュームが上がると開演です。
オープニング
「マジカルミライ2020、いっくよー!」の掛け声ですね。
最初の大阪公演がMEIKOさん!そうか今年は15周年のMEIKOさんイヤーだしいい演出だなあ。運営さんさすがだなあ。
と思っていたら、幕張公演の初演でなんと幕張公演は声がKAITOさんに!意外。しかし良い演出だなあ。今年はMEIKOさんとKAITOさんか、カイメイでいいなあ。
と思っていたら、まさかの幕張最終日(千秋楽?)は声がミクさんに!締めにミクさん。最高ですか。
シャボン
蜂屋ななしさん作。蜂屋ななしさんも楽曲も大好きです。前奏からサビの盛り上がりが最高です。
モジュールの『アンビヴァレンツ』、これがかっこいい。モジュールに合わせて、青と赤と緑のペンライトの観客席も綺麗でした。
そして最後も驚き。ステージ前方にシャボン玉が!コールができない代わりに新しい演出で魅せてくれました。
なお、蜂屋ななしさんの「いつかライブでシャボン玉を飛ばしながら歌ってほしいなぁ〜」 という動画コメント、叶いましたね。
みかぼし
3106。さん作。KAITOさんファンである青廃のみなさまは死屍累々だったかと思います。
楽曲ももちろん好きですが、いつもよりやや深い青色の衣装に身をつつんだKAITO兄さん。かき鳴らすギター姿の色気がとにかくすごい。
不覚にも(?)私もKAITO兄さんにキュンとしてしまいました…照。
余談ですが、今年でこの色気だと、来年のKAITOさん15周年イヤーはどうなってしまうのでしょうね。全滅するのでは…。
Amazing Dolce
MEIKOさん15周年メドレー、魅せてくれました!1曲めは日替わり楽曲。2曲目にこの『Amazing Dolce』、3曲目が15周年記念楽曲である『きみとぼくのレゾナンス』。
中でもこの『Amazing Dolce』は驚きました。ひとしずく×やま△さん作。
まずMEIKOさん、リンちゃん、レンくんの3人の楽曲はマジカルミライではもちろん、過去全部のライブを通して初めてのはずです。珍しい組み合わせ。
激しいロック調のテンポいい楽曲。リンちゃんレンくんはお人形に扮した付き人、という印象で上手くMEIKOさんを盛り立てる。そして中心のMEIKOさんは華麗な「赤の魔女」。剣を持たせれば赤の騎士にもなるなと私は思ってしまいました。
また、3曲目の歌の後、MEIKOさんが「やっぱり私は歌うことが大好きだから…」のくだりは感慨深いものがありました。
完全性コンプレックス
MEIKOさん「自分の席に座ってゆっくりみてね」の後に披露されたルカさん楽曲。やみくろさん作。
まず座らせることが驚きです。普通しませんよね。ライブ中に自らの熱を下げようとすることなんて。
しかし、この楽曲は座って観るのが正解です。スクリーンに表示される歌詞により深く考えさせられます。コロナ禍の今の時代に、生きるということ。
座ることで自分の位置をリセットする役割もあったのかもしれません。今回は隣に人がいないし、いつもよりペンライトを強く振ったりしていると、位置が大きくズレたりするので。
今回、演奏時間が短いこともありミクさんとMEIKOさん以外は持ち歌楽曲が1曲ずつしかありませんでした(リンレンは2人の楽曲)。が、その1曲が強すぎる!1曲が強く印象に残った、という声が多くありましたし、私自身も思います。運営さん、上手いです。
キミぺディア
Junkyさん作。鏡音リン・鏡音レン10周年記念にリリースされた楽曲のひとつ。2人は恋人設定でしょうか。好きだからこそそっけない態度をとったり、本音と逆のことをするけれどやっぱり好き同士の2人がいじらしくて。仲が良さそうな2人を見て泣きそうになるのは私だけでしょうか。
演出でも驚いたのが、スクリーンの裏側を通して観客席を写した景色。気付いた方も多いのではないでしょうか。もう1曲、『YY』もそうでした。ありえない画角ですね。そもそも、スクリーンの後ろ側(背中側)は、作り込まれなければ何も無いはずですから。この2曲に関しては、作り込まれていたということでしょうね。
大阪公演では後ろ側からの画角がありましたが、幕張公演では後ろだけではなくステージ右方向からの画角もあったのを確認しました。
今回、ほとんどの楽曲がセガモデルだったと思います。その中で、R3モデル(いわゆるクリプトンモデル)の楽曲があって、それがこの『キミぺディア』と『YY』の2曲だったはずです。
R3モデル(クリプトンモデル)では、技術的にも予算的にもやりやすかったということだと予想されますが、今後さらなる演出が期待されますね。
セカイ
キミぺディアの次にこの「セカイ」。DECO*27×堀江晶太(kemu)さんの共作。 私にとっては、連続で泣かせにくる流れです(笑)。スクリーンに表示される歌詞、前から後ろに流れていく感じがまたいい。
最初私はセカイ楽曲というくくりで見ていましたが、そういう枠を超えて名曲だなあとライブを通して感じました。前に進む勇気をもらえる曲。
アンコール〜ぽかぽかの星
驚いてばかりですが一番驚いたのはここ。アンコール後の楽曲。
大阪公演ではカンザキイオリさんによる『命に嫌われている』でした。はっきり言って衝撃でした。
生きることの側に死があるような、今の時代の大変な世の中。先の『完全性コンプレックス』と含めて、強く「生きる」ことを考えさせられる楽曲です。
元の楽曲に対して大きなアレンジも加えられており心を奪われました。絶句するとはこのことでしょう。
その今の時代を象徴するような曲が変更に!これまでもセトリ変更はありましたが、マジカルミライの新曲で、しかも明らかに象徴的な楽曲を変更するなんてことはありませんでした。
運営の大きな決断を感じます。しかも大成功でした。この変更により、幕張公演のテーマである「Winter Festival」に見事に様変わりしてしまったのです!
話は『ぽかぽかの星』へ。はるまきごはんさん作。
今年のSNOW MIKU 2020 (=雪ミク2020)のテーマ曲です。今年は雪ミクライブが無かったため、ライブでの披露は初となります。
前奏からスクリーンが雪に。「まさか」と思いました。そもそも雪ミクさんが出演するのも、雪ミク楽曲がマジカルミライで歌われるのも初めてのことです。その衝撃たるや。
去年の雪ミクの北海道の景色を——思い出していました。(去年の雪ミク→記事はこちら)
"ねえ知ってる
雪の夜は静かなんだよ
違う星にきたみたいだ"
椅子に座った雪ミクさんが手を添えささやくように歌います。なんて暖かいのだろう。雪景色なのに心はぽかぽかです。
さらに雪ミクを感じさせるのが…ユキネ(=ラビット・ユキネ)の登場。
雪ミクさんとユキネが一緒に曲に合わせて身体を左右にゆらす姿はなんと可愛いらしいか。
そしてユキネがラッパを吹く。雪ミク2020さんであるホルンちゃんが、ホルンを吹く。
"消えてしまうけれど"…
最後、ステージに雪が舞う。本当の意味での「雪ミク」。
演出も完璧でした。この曲の間ずっと涙を流してました…。
愛されなくても君がいる
最後に今年のテーマ曲。こちらについてはあまりに深いため次の記事で語ろうと思います。あと1つ記事にする予定です。
結局ライブはどうだったのか?
始まる前は物足りないかもなあと思っていたのに、終わってみれば最高でした。
完璧に考えられた運営による演出。コールができないという大きなハンデがあっても、新しい演出や声が出せないからこその演出が披露されました。
お客さん側もすごかったです。絶対ここでコールしたい、という場面で誰も声出さずに拍手やペンライトで応える。自分も参加しながらですが、いじらしいけれども一生懸命できる範囲で盛り上げようとする姿は感動しました。
ファンとしては、どう楽しむか?運営としては、どうやって魅せるか?を考えながら、制限の中でも運営と観客とが一体となり、一緒に盛り上げることができたライブだったと思います。本当にすばらしいライブでした。以前までなら絶対できなかった体験だったと思います。
それら全てを含めて、ファンとしてこれからどう生きるか?を問われたような気にもなりました。これからも自分に問いかけていくのでしょう。
明日は大晦日。最後にマジカルミライの考察記事を投稿する予定です。
こちらから↓↓↓
著者:やまもり→ Twitter