初音ミクもりあわせ

初音ミクさんのイベントで栄養補給する

マジカルミライ2020と、テーマソング『愛されなくても君がいる』・前編【考察】

2020年の、そしてマジカルミライ2020の総括として、捧げます。

 

 

マジカルミライ2020幕張 メインビジュアル等身大パネル

マジカルミライ2020幕張 メインビジュアル等身大パネル

 

 

 

 

 

 

 

マジカルミライ2020 千秋楽後のこと 

マジカルミライ2020幕張 千秋楽公演のあと、会場外にて

マジカルミライ2020幕張 千秋楽公演のあと、会場外にて

 

 

初音ミク『マジカルミライ2020』大阪公演と幕張公演が無事、終わった。

 

 

12/20(日)の幕張の千秋楽ライブ。最後の曲であり今年のテーマ曲であるピノキオピーさんの『愛されなくても君がいる』が終わった後のこと。

 

 

正直イベントが始まるまでは、これほどまでに楽しめるイベントになると思っていなかった。イベントを無事に終えられた安堵感があったのは、ここに至るまでの懸念が山ほどあったからだ。よく開催できた、よくやりきったと。前のブログにも書いたが、運営は徹底した対策の上で勇気ある決断をし、参加者はルールを守り制限の中でも目一杯楽しみ、イベントを盛り上げた。

 

  

できすぎている、と思った。この大変な世の中で、いろんな制限があるにも関わらず、これほど楽しく満足できる内容で無事に終えることができるなんて。 

 

 

 

分断の時代 

 

今年はコロナに振り回された1年だったと思う。そして様々な「強制的な分断」があった。

 

 

私自身の話だと、自粛期間中の春から初夏にかけて、長らくイベントも開催されずに生きがいを見失いそうになった。この期間、創作もできなかった。

 

 

今の時代を表すのに、マジカルミライのブログを執筆されている口閉さんのブログから一節を拝借する。

 

 メメント・モリ(死を想え)なんて警句もありますが、今という時代はこれまでにないほど「死」というものが身近に、それでいて遠くにあるという奇妙な時代ではないかと思います。誰もが実感しているのに、誰もが目を背けたがっている。マジカルミライが始まる、ほんの数日での出来事でもそれを感じられた方は居るのではないでしょうか。

引用: マジカルミライ2020 in OSAKA初演感想|口閉|note 

 

 

 

人と人のつながりを分断する時代。生きるということを実感し、かつ死が身近にあるような時代。

 

 

知人にこの期間に初音ミクボーカロイドと距離をとってしまった人がいる。ファンをやめてしまった人、やめざるを得なかった人、私のように創作ができなくなった人もいることだと思う。

 

 

このイベント中でも分断をひしひしと感じた。国内国外問わず、参加したくてもできなかった多くのファン。幸運にも参加する側にまわれたとしても、参加することへの葛藤があった人は多いと思う。

 

 

参加しても以前のような気軽さはない。人が集まることに抵抗感がある。以前よくイベントで会っていたのに今回会えなかった人もいる。オフ会は参加しづらいものになってしまった。

 

 

いろんな強制的な分断や制限のもとで、「どう楽しむか」を問われる。その中であって、開催されたマジカルミライ。

 

 

 

 

マジカルミライは「つなぐ場所」

マジカルミライ2020幕張 冬のメインビジュアル等身大立像 初音ミクさん

マジカルミライ2020幕張 企画展 中央が初音ミクさんの等身大立像

 

マジカルミライと創作

 

初音ミクたちをハブ(きっかけ)として、「創作」というキーワードで繋がる場所、その楽しさを体感できる場所を目指して展開。

マジカルミライ公式ページより

 

 

マジカルミライは初音ミクさん達キャラクターについての「創作」が1つの大きなテーマになっている。それはイベント内の数々の展示や企画、持ち込まれた創作物やライブを見れば感じられる。

 

 

初音ミクの生みの親でありマジカルミライ主催のクリプトン社・伊藤社長も、今年の企画展ステージ(プログラミング・コンテスト受賞作品発表 / TextAlive講座。動画はこちら)にて、『マジカルミライは「創作のきっかけ作り」になる場である』とはっきり述べている。 

 

 

 

 

言われて気付いたのだけれど、このブログも周りの人の創作する姿に触発されて始めたのだった。創作の力は伝播すると思う。

 

 

このように、マジカルミライはこの創作文化の象徴であり、マジカルミライを続けることの1つに創作文化をつなげていくという意味があると思う。 

  

 

 

初音ミクさんと創作文化 

 

考えてみれば、初音ミクさんは1人では生きられない。

 

 

ファンやクリエイター、運営やその他いろんな人が支えがあって、初音ミクそしてこの創作文化は成り立っている。

 

 

1人では生きられないのは、まるで私たち人間のようだ。生きるという面でもそうだし、初音ミクというコンテンツに関してもそう。このイベントにしてもクリエイターが創作しファンが参加しなければ成り立たない。創作活動にしても運営が支えファンが応援して成り立つ。自分のファンとしての活動も運営やクリエイター、そして自分と同じファンがいてこそ続けられる。

 

 

だからこそ今回のコロナ禍の分断は、人と人、人と創作、人と初音ミクというコンテンツの根幹を揺るがすような事態であると考える。 

 

 

 

マジカルミライに「帰ってきた」

 

マジカルミライの会場に立った時、帰ってきた、戻ってきた感じがある。今年も感じた。

 

 

確かに今年会えなかった人もいるが、一方で久々に会うことができた人もたくさんいる。ファン同士も、クリエイターも、出展企業も、ミクさんに関わる全ての人が集まる場所。

 

 

他のイベントに比べてマジカルミライが別格であると思うのは、規模の面や創作の場としての面、1年に1度の記念祭としての面からだろうと思う。マジカルミライが創作の場として存在できるのは、前提として「つなぐ場所」だからだと思った。だからつながりの中心に戻った、帰ってきたという感覚があったのかと。

 

 

マジカルミライは点だった1人1人を線につないでくれる場所。そしておそらく、その線が円という形で人や誰かの創作につながっている。まさにkzさんの『Tell Your World』だと思う。マジカルミライはこうして毎年、私たちをつないでくれていたのかもな、と。

  

君に伝えたいことが
君に届けたいことが
たくさんの点は線になって
遠く彼方へと響く
君に伝えたい言葉
君に届けたい音が
いくつもの線は円になって
全て繋げてく どこにだって

(Tell Your World / kz)

 

 

 

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著者:やまもり→ Twitter