気づいたら3部作となっていた、【ニコニコネット超会議2020夏(=ネット超会議夏)】の初音ミク・ボカロ関連配信を振り返るまとめ後半戦。
後編となる最後は「超歌舞伎 Supported by NTT『夏祭版 今昔饗宴千本桜』(=超歌舞伎)」について振り返る。
なお、本記事は基本ネタバレありなので、先に動画をご覧になりたい方はこちらから。期間限定で視聴無料である↓↓↓
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夏祭版 今昔饗宴千本桜について
8/16(日)19:00より、東京建物ブリリアホールから生放送で無料配信された。
今昔饗宴千本桜とは
今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)とは、2016年にニコニコ超会議で初めて上演された新作歌舞伎。ボカロ曲「千本桜」と、歌舞伎を代表する作品のひとつ「義経千本桜」が、NTTの最新技術をもって融合した独自演目である。2019年8月開催の南座超歌舞伎でのメイン演目である。超会議で上演されるのは今回で3回目。
※南座超歌舞伎公演に参加した時のブログはこちら↓↓↓
ただし今回は演目に「夏祭版(なつまつりばん)」と付いている。内容を少し変えてくることが予想された。一体何をどのように変えてくるのか?前回の演目を観た身としては期待が膨らんだ。
最初の口上から泣ける
最初に獅童さんの挨拶(口上)から。4月のニコニコ超会議や6月の南座超歌舞伎を断腸の思いで中止にしたこと。スタッフをはじめ自粛生活の中で、ネットを通じてお家で心置きなく喜んでもらえる企画がないかと模索していたこと。その中で超歌舞伎を上映させてもらう運びとなったこと。一言一言が、胸を締め付けられる。
獅童さんは普段のように、まるでお客さんがいるかのように振舞ってくれた。去年の南座公演でも毎日、毎回、客席に向かい述べてくれた言葉だ。
「一階席のお客様ぁ!準備はいいですかあ!?」
「二階席のお客様ぁ!準備はいいですかあ!?」
「三階席のお客様ぁ!準備はいいですかあ!?」
そして続けた。
「本日は無観客でございます。しかしながら、盛り上がらないわけがございません。」
「なぜなら、今までの公演での皆様の笑顔。涙。…ペンライトを使ってのご声援。」
「それが私の目に、耳に、焼き付いております」
超歌舞伎や歌舞伎ファン、お客さんへの愛。演者とお客が支え支えられ成り立っていることへの感謝。いろんな気持ちが伝わってきて、最初から涙を誘った。そして口上の締めくくりへ。
「おいみんなぁ!…コメント待ってるぜ。」
カメラワークが独特
無観客・オンライン公演の特性を生かし、歌舞伎を”観る”のではなく参加する感覚が味わえるようなカメラワークや演出にもご注目ください。
(動画視聴ページより引用)
普段の歌舞伎(超歌舞伎含む)では、舞台上演であるため当然カメラマンが舞台に上がってか撮影をするようなことはできない(演技の邪魔になる)。しかし今回は無観客であったためであろうか、普段ならまず写せないようなアングルからも配信された。
例えば最初の口上でも、獅童さんのすぐ横にもカメラがあり、普段では味わえない視点を楽しむことができた。
他にも上からの視点や演者により近い視点など、まるで観ている側が歌舞伎に参加しているかのような感覚が味わえた。無観客公演という特性を生かした演出ではないかと思う。
大向こうがギフトに
超歌舞伎の醍醐味と言えば大向こう(屋号(やごう)を叫ぶこと)である。超歌舞伎においてはいつ大向こうをしてもいいルールになっている。
屋号一覧:
中村家ご一門には「萬屋」
初音ミクさんには「初音屋」
NTTさんには「電話屋」
今回は直接声援を送ることはできないが、代わりに大向こうやおひねり(舞台に投げ入れる投げ銭)をギフトとして贈ることができたのだが、これがすごく面白かった。役者の登場シーンや見得を切る場面など、盛り上がる場面で視聴者からどんどんギフトが贈られるので、舞台の盛り上げの演出としても使える。本当に大向こうが投げかけられているかのようだった。この仕組みは素晴らしいと思う。
※長くなったので分けます。つづき↓↓↓
筆者:やまもり→ Twitter