物語は後半へ。前半記事はこちら↓↓↓
4/24(土)、25(日)の2日間にわたり幕張メッセで開催された 超歌舞伎 Supported by NTT「御伽草紙戀姿絵」@ニコニコネット超会議2021 (=超歌舞伎2021)。後編です。
※ここから物語ネタバレありです
初日と2日目の口上
冒頭の獅童さんによる口上(=こうじょう)にて。
初日。獅童さん自身も「感無量」とおっしゃっていましたがその通りだったのでしょう。このご時世の中で芝居をやれることの意味。関係者は特に毎日やきもきしていたことでしょう。無事開催できてホッとしたという姿を見受けました。ファンとしても待ち望んでいましたよ、獅童さん。
また獅童さんはネット視聴者のことにも必ず触れてくれます。嬉しいですね。私も含め現地に行けないファンのことも気にかけてくださるのは。
2日目の口上では最初からパワー全開!いろいろ突っ込んだお話もしてくださいました。
獅童さんの決意
今回の会場をどこにするかという話の中で「この幕張メッセでやることに意味がある」とはっきりおっしゃっていたのが印象的でした。幕張メッセでやるのは2年ぶりになります。
2016の初回から会場は幕張メッセでしたが、去年の超歌舞伎は無観客であり、会場も別でした。今回、幕張メッセでやるかどうか迷ったけれど、はじまりの場所でやることに意味がある、と。
これは獅童さんや運営さん達の決意なのだなと思いました。この大変な時代に超歌舞伎を開催する意味。そうですよね。そもそも最初から、超歌舞伎という新しい文化を作り出そうとしているのですから。最先端に立ち、エンターテイメントという大きな枠の手本となることへの決意を感じました。
「幕張メッセに戻ってくることができて本当に嬉しく思っております」
「超歌舞伎ファンに育てていただいたと思っております」
「もうみんなに会いたかったよ」
「夢の空間だよ」
「宣言します。この超歌舞伎では、クラスター感染を出しません」
「ルールを守ればエンターテイメントは安全なんだ。そんなことのお手本になろうと思っております」
「100年残ったらこれは古典になります。」
言葉の重みにシビれます。そしてみなさん、と前置きして最後にこうおっしゃいました。
「時代を切り開いていきましょう。」
物語後半
前半記事にも書きましたが物語は怒涛の展開に。頼光とミク七綾太夫の恋だったり。七綾太夫が切られたり。闇落ちしたり。兄弟の絆だったり。
ミクさんの初の隈取(=くまどり)姿も、おお…といろんな意味で声が出ました。確かに怖いのだけれど、怖さを上回って見事!という。
個人的には…終盤の、保昌(=やすまさ)と保輔(=やすすけ)の兄弟最期のシーンが強く印象に残っています。山場の1つですね。CGも無い、これぞ伝統の歌舞伎芝居!と言えるシーンではないでしょうか。國屋さんと獅童さんの演技に引き込まれたという人も多いと思います。私も息を飲みながら二人の芝居に魅入っていました。
演出もすばらしかった。首を落とすのは幕が引いた後。「ぷええい!」と、國屋さんの声と音だけで表現してたのですよね。折り合いがつかない気持ちが伝わってきたし、ショッキングでもあるけれど、そこに絆や愛を感じました。
鏡音屋、登場!
先の山場から次のシーンもまさかでした。大薩摩(=おおざつま)にて、鏡音リンちゃん、鏡音レンくん登場!
リンちゃんの見事な三味線さばき。レンくんの声が渋かったのはきっとスピーカーで変声されてるからでしょうね。たしかに大薩摩はプロの演者がそのままやった方がしっくりくる気がします。
1つの場面が変わる度に演出があり、本当にもう、これでもか!というくらい演出が多彩。驚きの連続です。
大立ち回り〜劇中歌
決戦です。山姥茨木婆(=やまんばいばらぎばば)が立ちはだかります。
やったか!?と思ったら闇落ちミクさんが出現!!ARを駆使した圧倒的な威圧感!
頼光役の獅童さんが語ります。
「あまたの人の言の葉を…」
会場を震わせるペンライト。画面を埋め尽くすコメント。ボルテージは最高潮。
そして——
ここで来るとは!劇中歌『ロミオとシンデレラ』と同時に殺陣シーン!
今回のテーマ『アイに、生きる。』。まさにこの通りだったと思いました。
敵方を好きになってしまった愛。兄弟愛。テーマソングである悲劇の愛。また、こうして超歌舞伎の舞台で「会い」まみえたこともアイの1つなのかなと思ったりしました。
そして大団円へ!
エンディング
客席は大盛り上がりで出演者も大盛り上がりで、光と音楽が舞うわちゃわちゃ感! なんかもう全部まとめてハッピーエンド!超歌舞伎ならではのこの光景!今年も観られた!感情がこみ上げます。
千秋楽と言えばやはり…!
いやあ良かったよかった。長丁場の芝居と思えないくらいずっと引き込まれ、魅せられた。と——
「もう少しだけ、一緒に居させてください」
おお!来るか!?今年も!
千本桜!!!
しかも獅童さん、『今昔饗宴千本桜』の主人公・佐藤忠信の衣装姿!まじか!いつの間に着替えたんだ!?そもそも今回一人二役で何度も着替えたはずなのに。早着替えの達人かな?
あと、会場を盛り上げつつ獅童さん言ってましたね。「タランチュラ屋ー!」って。これっていろんな視聴者が「●●屋!」ってつける遊びのコメントですよね。獅童さんちゃんとコメント見てくれてますね。
そして獅童さん、心の底から千本桜が好きなんだなーってことが伝わってきました。w
終わりに
今年の超歌舞伎は、映像、カメラ、演出、ストーリーといろいろな面で進化を見ることができました。一体どこまで行くのか。超歌舞伎はどうなってゆくのか。
獅童さんがおっしゃった「100年続けば超歌舞伎も古典」という言葉の通りだと思います。今の歩みがきっと未来を作るのだろうし、ファンとしてもこうして観たり応援することで、楽しい以上の意味があるのだろうと思いました。
NEXT→九月南座超歌舞伎
次の超歌舞伎は9月、京都の南座ですね。全部で3週間を超える公演。2年ぶり。
2年前の南座公演のブログはこちら↓↓↓
去年は時勢が悪く公演が無かったので、今年こそ無事に公開されますよう。楽しみに期待してます。
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著者:やまもり→ Twitter