久しぶりに参加して実感した。どうやらイベントの楽しみ方さえも忘れていたようだ。
サントリーホール公演
9/21(火・祝)、初音ミクシンフォニー2020サントリーホール公演。オーケストラコンサート。
物販開始の10:30より少し前、会場に到着した。去年までの幕張公演や大阪公演での物販の混雑ぶりに比べれば比較にならないほど待機列に人は少なかった。少し寂しい気持ちになった。
ついこの前まで当たり前だった光景が、この数ヶ月で当たり前ではなくなったことを実感した。
思えばこのイベントの準備段階から違和感を感じていた。準備に時間がかかる。これはどういうことだ、いくら準備をしても何か忘れている気がしてならない。そうか、遠征するのが久しぶりだから、やり方を忘れてしまったのか。去年の年末以来、イベント遠征をしていなかった。東京に来てから気付く、やはりいくつか忘れ物をしていた。
久しぶり
『ーお久しぶりです』
知り合いの仲間を見つけ呼びかけた。本当に久しぶりだ。会えたことに嬉しく、思わずにやけてしまう。どうも気恥ずかしい。
久しぶりであったが話は弾んだ。自粛期間中の話。初のサントリーホール公演はどうなるのか。次のイベントは。などなど。話しているうちにいつもの楽しい気分になっていた。
次第に人も集まってきたようで、知り合いの仲間にも何人か挨拶できた。あちこちでファン仲間の輪ができていった。
いつの間にか話に夢中になっていた中、ふと辺りを眺めた。ミクさん色でいっぱいだ。
ーああそうだ。イベントってこういうものだった。
当たり前だった光景
このような光景はいつぶりだろう。確かに自粛から今までも、コラボショップやオンライン上でのライブは開催されたが、今日のようにこれだけ多くの人が集まるイベントは無かった。今回は復帰戦のようなものだ。
元気そうな知り合いの顔を見ること。一日中ミクさんやボカロの話をすること。ボカロ好きな同志に囲まれること。なんて楽しいのだろう。普段のイベントでは当たり前のことだった。その当たり前のことを今日はできる。しばらくぶりに。
今回参加したことで、その当たり前の、ささやかなイベントの副産物である周りにファンがいるということが、かけがえもなく大切であることに気付かせてくれた。サントリーホールに来て、いつもの光景に思わず涙ぐんだ方もいることだろうと思う。
コンサートが終わって
コンサートも素晴らしかった。聴いたことのないような美しい音の響き。極上の音楽を聴けることの喜びを噛み締めた。コンサートが終わってもずっと余韻が残っていた。
新しい生活様式で、いろいろと施行が上手くいった例もあるだろう。今回の物販の待機列が少なかったのは、オンライン物販で購入した人が多かったからだろう。物販がオンライン中心になるのは売り上げ面での差は不明ながら、個人的にはファンに便利で良い試みではないかと思う。
その日は心地よさに浮かれていたが、しかしあとで冷静になって考えると良いことばかりではない。残念だった部分もある。
今回会えた人もいる反面、会えなかった人もいる。いつもなら必ずいる人が今日はいなかった。このご時世で、人の集まるイベントに来られない人、遠征ができない人、また来ても早々に会場を去らなければならない人も多くいることだろう。以前ならオフ会等もいたるところで開催されただろうが、今は開催中止もしくは規模縮小しなければならない。イベントであっても仲間との接点が減っている。
必ずしもイベントに参加することが正解とは言えない。今回、参加したいけれど見送った方もいらっしゃると思うが、その勇気を尊重したい。先日ミクさんがコロナ対策サポーターに就任したことだし、なおさら感染者を出すわけにはいかない。私自身も参加するのに悩んだ。参加したいけれども参加していいのかどうか、このジレンマはこの先もしばらく続くのだろうと思う。
今回は終わったのであとは何も起こらないことを祈るのみであるが、引き続き個人レベルで予防を徹底しなければならない。
このようにまだまだわからない部分はあるものの、ひとまずは今回無事にイベントが開催されたことに感謝したいと思う。
サントリーホールのイベントレポートは別で書く予定。乞うご期待。
筆者：やまもり→ Twitter
